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心に残った、おもてなしの気づき

〜Reflections on Memorable Hospitality〜

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スタッフの“自発力”が生み出す 心地良さと感動

 長年旅行領域のCS部署に在籍して、全国各地の旅館やホテルの接客サービスに関わってきた後輩が、ぜひ一度行ってみてほしいと言われていたホテルがある。ちょうどそこで、セミナーが開催されるのでどうですかとその後輩からお誘いがあり、これはいい機会だと泊まってみることにした。

 チェックインして部屋を空けるとテーブルの上にはパックとスキンケアセット、そしてメッセージカードが置かれていた。それもメッセージカードは手書き!ホテルの清掃スタッフが「私が掃除しました」というカードに手書きの名前が書かれているのは見たことがある。だが、スキンセットの説明まで書いてあることに驚き。そしてペットボトルには、硬度などミネラルウォーターの説明書きが添えられている。ここでまず、ここのエリアの自然の豊かさを知ることとなる。

 夕食は、南魚沼産八色しいたけのコンソメロワイヤルからスタート。南蛮海老に佐渡サーモン、ブランド豚の妻有(つまり)ポーク、魚沼産コシヒカリなどなど。そして私の大好きな日本酒にワイン。山の恵みに海の幸、新潟県は本当に旨いものがぎっしり詰まった宝箱のような土地なんだということに改めて気づかされる。

 思わず感動してしまったのは、おしながきに食材の産地などを記載する宿やレストランは数多くあれど、食材のことを誰に聞いても答えられること。それも、地元食材に対する愛や誇りを感じる語り口調である。スタッフ各々が、自分の言葉で一生懸命説明してくれるから、より魅力的に聞こえるのだと思う。

 レストランの受付近くでどこの会場なのかがわからずうろうろしていた時も、すぐに声をかけてくれた。私が会場名を忘れただけなのだが、「分かりにくかったでしょうか。」と申し訳なさそうに案内してくれた。フロントでも、すぐ「どうされましたか?」とさり気なくすっと近づいてきてくれる。お土産コーナーでは、地産地消商品が多いのだが、十日町や新潟県に絡めて商品の説明が。それも押しつけがましくなく、長すぎず、程よい加減である。

 ここのホテルのスタッフは、どうしたらお客様に喜んでもらえるのか、気持ち良く過ごしてもらえるのか、ここに来てよかったと思ってもらえるのかを自分なりに考えて、自発的に行動しているんだなということが伝わってきた。

 最後、越後湯沢駅までの送迎バスが出発してからがまた驚き。大勢のスタッフが両手を挙げて、満面の笑顔で、大きな声で「ありがとうございました~!」とバスに並走気味に小走りしている姿。スロープの坂を下って、バスが曲がって見えなくなるまで、本当にひたすら手を振って、訪れてきてくれたことへのお礼をしてくれた。仕事柄、全国各地の宿に泊まっているが、ビジネスライクなのか、本心でやってくれているかは、正直見ていればまあ、何となく分かる。今回は、心を込めて「ありがとうございました。楽しんでいただけましたか、また来てくださいね。」という想いが強く感じられる宿だった。

 最初から最後まで、ずっと心地良く過ごせる宿。いったいどういう秘訣があるのだろうか。これは「観光・学びの視点」Vol.2に書いてみたので、ぜひ読んでほしい。
https://nishi.travel/stay/0002/

泊まったホテルは

リピートしたくなる理由が
滞在中に何度も感じられる宿
あてま高原リゾート
ホテルベルナティオ
https://www.jalan.net/yad353226/

自社HP
https://www.belnatio.com/

「私が掃除しました」と印刷されたカードに清掃スタッフの手書きの名前が書かれているのを見たことはあるが、ここまで書いてあるのは初めてで衝撃、そして感動でした

地元の水を置いている宿は多いが、その土地の水に絡めた説明までをしてくれている。一気にこのエリアへの興味関心が高まるいい機会に

南魚沼産八色しいたけ!新潟県は公私共々かなり訪れているが、まだまだ知らない食材があり、それだけ食材に恵まれていることを強く感じた

地元の食材をふんだんに使い、それに合うお酒を上手くマリアージュして下さった。どのスタッフに聞いても、とても嬉しそうに食材の特徴や旬などを教えてくださるのも素晴らしい。食べている人を楽しませたいという気持ちが表情から伝わってくる