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地域と観光について考えたこと

Considerations on Local Communities and Tourism

地域と観光について考えたこと

Considerations on Local Communities and Tourism

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31年間の実感に、データという裏付けが加わった日|じゃらん観光振興セミナー2026

先日、毎年恒例の「じゃらん観光振興セミナー」に参加してきた。
毎年、多くの学びがあるが、今年は私にとって「そのとおり!」と声に出したくなるような出来事があった。

それは、新センター長・高橋さんの講演で紹介された、ある調査結果。「住民の地域への愛着」と「旅行者の満足度」の関係が、データによって初めて実証されたという内容だった。

私は31年間、じゃらんの編集者として全国の地域を訪れ、いろいろな話を伺う機会に恵まれた。
その中で何度も感じてきたのは、「旅行者の心を動かすのは、有名な観光施設や派手な仕掛けではない」ということだった。

地域の人が、自分たちの暮らしや文化に誇りを持ち、それを自然とうれしそうに語ってくれる地域ほど、訪れた人は気持ちが豊かになり、満足度も高くなる。そんな場面を数え切れないほど見てきた。

北海道は厚岸の道の駅で「本当にここの牡蠣は旨いんですよ~。だから、この旨い牡蠣に合うクラフトジン、地元で作っちゃいました。一緒に味わってみてくださいよ」と勧められた。
山形県では、駅の構内で売っていたサクランボのお勧めを聞くと「どれも本当に美味しいのよ。レアなのはこの新種!佐藤錦だけじゃないのよ、山形のサクランボ。」と店員さんが鼻高々に話してくれた。
三重県では、「いつ見ても、この景色に涙が出そうになるんですよ。やっぱいいですよねぇ。」と幸せそうな顔をして横山展望台で語ってくれた地元出身のテレビクルーがいた。

こんな人たちに出会う度に、私は、「地域の人が自分の地元を好きであること」が、いい旅をつくる原点なのだろうと感じながら、仕事をしてきた。
ただ、それはあくまで現場で積み重ねた実感であり、経験則でしかなかったのだが、今回の調査では、その感覚が数字として示されたのだ。

住民の地域への愛着と旅行推奨度との相関係数は0.70。統計的にも「非常に強い相関」とされる数値。さらに、旅行推奨度と旅行者満足度との相関係数は0.62。住民が地域を愛し、「ぜひ来てほしい」と思える地域ほど、実際に訪れた旅行者の満足度も高くなることが、データで裏付けられた。

この数字を見た瞬間、「私が31年間現場で感じてきたことは間違っていなかった」と胸が熱くなった。
これまで観光の現場では、「住民が地域を好きであることは大切だ」と感覚的に語られることはあっても、それを客観的に説明する材料は無きに等しかった。だからこそ、この調査結果は大きな意味を持つのである。

旅行者満足度を高めるために、本当に大切なのは何なのか。
新しい施設をつくることでも、派手なイベントを開催することでもない。
地域の人が、自分たちの地域の価値に気づき、誇りを持ち、それを自然に語れること。
その積み重ねが、訪れた人の感動につながり、「また来たい」という気持ちを生み出していくのだと思う。今回のセミナーで紹介されたデータは、私がこれまで現場で感じ続けてきたことを裏付けてくれるものだった。

現場で積み重ねてきた実感と、調査によって示された事実。その両方を持って地域と向き合えることは、これからの私の仕事を支える大きな力になると感じた。

地域には、その土地に暮らす人にとって当たり前すぎて気づいていない価値が、まだたくさん眠っている。その価値を見つけ、整理し、編集し、旅人に伝わる地域体験へと磨き上げていく。

そんな伴走を、これからも地域の皆さんと一緒に続けていきたい。

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