先日、福島県奥会津で講演をする機会をいただいた。
テーマは、「旅人は、奥会津に来て何を持ち帰りたいのか」にした。
地元でお土産の新商品開発に取り組む、飲食店や雑貨店などの皆さんに向けて、「観光客目線でほしい土産とは何か」というお題をいただいて、全4回のうち、私が呼ばれた理由から考えてみた。
31年間、『じゃらん』編集部で読者と向き合い続け、その後も地域の方々と仕事をする中で、私が一貫して考えてきたことがある。
それが、「誰に届けたいのか」を明確にすることだ。
商品も、宿泊施設も、観光地も、すべて同じである。
ターゲットが見えていれば、伝える言葉も、届け方も変わる。
今回の講演でも、そのことを軸に、「旅人は何を持ち帰っているのか」「地域の当たり前は、旅人にとっての憧れになる」といった話を、自分の実体験を交えながら、最終的に奥会津という地域に置き換えてお話しした。
講演後の質問タイムで、ひとりの参加者からこんな声が上がった。
「ターゲットを絞れと言われても、ただでさえ来る人が少ないので、買ってくれる人なら誰でもいいんですよ。」
実は、この質問は初めてではない。
かつて宿泊施設の方々に向けた講演でも、同じような質問を何度もいただいてきた。
「ターゲットを絞る」という言葉が、「それ以外の人を切り捨てる」という意味に受け取られてしまうことは少なくない。
でも、私はそうではないと思っている。
講演では、いつもこんな例をお話ししている。
「あなたが好きです」と書いたラブレターは、一人に向けて書くからこそ気持ちが伝わる。
誰にでも当てはまるような言葉では、結局誰の心にも届かない。
また、男性ファッション誌『LEON』は、「50歳、ちょい悪オヤジ」という明確なターゲットを掲げたことで、多くの読者の共感を集めた。実際には、その世代だけでなく、そんな大人に憧れる若い世代にも支持が広がっていった。
届けたい相手を明確にすることは、それ以外の人を排除することではない。
まずは、「この人に届けたい」という軸を持つことが大切なのだ。
講演が終わった後、参加者の皆さんが開発中の商品を見せてくださった。
その中で、質問をしてくださった方が一着の洋服を手に取りながら、こう話してくれた。
「この柄、すごく派手でしょう。一緒に作ってるみんなは『こんなの着ないわよ』って言うんだけど、私は外国人観光客が絶対に喜ぶから、こういう柄も選んでちょうだいってお願いしたのよ。」
思わず私は声を上げた。
「それですよ。それがターゲット設定です!」
一緒に商品づくりをしている別の方は、淡いパステルカラーの小花柄を見せながら、「私が選ぶならこっちよね。派手なのはちょっとね~」と笑っていた。
でも、「外国人観光客なら、どちらを手に取りそうですか」と聞くと、「確かに、派手な柄の方が好きそうだし合いそうよね。」と頷いた。
その瞬間、私自身も改めて気づかされた。
ターゲット設定とは、特別な理論ではない。
多くの人は、実は普段から無意識のうちに「この人なら喜んでくれそう」と考えながら商品を選び、作っている。
大切なのは、その無意識を意識すること。
届けたい相手の顔が浮かべば、選ぶ色も、言葉も、売り方も少しずつ変わっていく。
今回の奥会津での講演は、地域の皆さんにお話しする機会であると同時に、私自身にとっても、「ターゲット設定」の本質を改めて考え直す時間になった。
そして、これからも地域の方々と一緒に考えていきたいのは、「誰にでも届く商品」をつくることではない。
「この人に届けたい」と思う相手を、一人ひとり具体的に思い描くこと。
その積み重ねが、結果として、その土地のファンを確実に増やしていくのだと思う。
テーマは、「旅人は、奥会津に来て何を持ち帰りたいのか」にした。
地元でお土産の新商品開発に取り組む、飲食店や雑貨店などの皆さんに向けて、「観光客目線でほしい土産とは何か」というお題をいただいて、全4回のうち、私が呼ばれた理由から考えてみた。
31年間、『じゃらん』編集部で読者と向き合い続け、その後も地域の方々と仕事をする中で、私が一貫して考えてきたことがある。
それが、「誰に届けたいのか」を明確にすることだ。
商品も、宿泊施設も、観光地も、すべて同じである。
ターゲットが見えていれば、伝える言葉も、届け方も変わる。
今回の講演でも、そのことを軸に、「旅人は何を持ち帰っているのか」「地域の当たり前は、旅人にとっての憧れになる」といった話を、自分の実体験を交えながら、最終的に奥会津という地域に置き換えてお話しした。
講演後の質問タイムで、ひとりの参加者からこんな声が上がった。
「ターゲットを絞れと言われても、ただでさえ来る人が少ないので、買ってくれる人なら誰でもいいんですよ。」
実は、この質問は初めてではない。
かつて宿泊施設の方々に向けた講演でも、同じような質問を何度もいただいてきた。
「ターゲットを絞る」という言葉が、「それ以外の人を切り捨てる」という意味に受け取られてしまうことは少なくない。
でも、私はそうではないと思っている。
講演では、いつもこんな例をお話ししている。
「あなたが好きです」と書いたラブレターは、一人に向けて書くからこそ気持ちが伝わる。
誰にでも当てはまるような言葉では、結局誰の心にも届かない。
また、男性ファッション誌『LEON』は、「50歳、ちょい悪オヤジ」という明確なターゲットを掲げたことで、多くの読者の共感を集めた。実際には、その世代だけでなく、そんな大人に憧れる若い世代にも支持が広がっていった。
届けたい相手を明確にすることは、それ以外の人を排除することではない。
まずは、「この人に届けたい」という軸を持つことが大切なのだ。
講演が終わった後、参加者の皆さんが開発中の商品を見せてくださった。
その中で、質問をしてくださった方が一着の洋服を手に取りながら、こう話してくれた。
「この柄、すごく派手でしょう。一緒に作ってるみんなは『こんなの着ないわよ』って言うんだけど、私は外国人観光客が絶対に喜ぶから、こういう柄も選んでちょうだいってお願いしたのよ。」
思わず私は声を上げた。
「それですよ。それがターゲット設定です!」
一緒に商品づくりをしている別の方は、淡いパステルカラーの小花柄を見せながら、「私が選ぶならこっちよね。派手なのはちょっとね~」と笑っていた。
でも、「外国人観光客なら、どちらを手に取りそうですか」と聞くと、「確かに、派手な柄の方が好きそうだし合いそうよね。」と頷いた。
その瞬間、私自身も改めて気づかされた。
ターゲット設定とは、特別な理論ではない。
多くの人は、実は普段から無意識のうちに「この人なら喜んでくれそう」と考えながら商品を選び、作っている。
大切なのは、その無意識を意識すること。
届けたい相手の顔が浮かべば、選ぶ色も、言葉も、売り方も少しずつ変わっていく。
今回の奥会津での講演は、地域の皆さんにお話しする機会であると同時に、私自身にとっても、「ターゲット設定」の本質を改めて考え直す時間になった。
そして、これからも地域の方々と一緒に考えていきたいのは、「誰にでも届く商品」をつくることではない。
「この人に届けたい」と思う相手を、一人ひとり具体的に思い描くこと。
その積み重ねが、結果として、その土地のファンを確実に増やしていくのだと思う。
<参考までに>
只見川の雄大さに驚きつつ、川面に映る木々の姿に癒やされました。また、山々がとても近くに迫ってきていて、薄い緑や濃い緑に囲まれていて、都会では味わえない不思議な感覚を覚えました。
奥会津とは
https://okuaizu.net/okuaizu
只見川電源流域振興協議会
https://okuaizu.net/group
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