旅は目的地に着いてから始まるものではなく、家を出る前から始まっている。久しぶりに仕事で伊東を訪れて、そのことを改めて実感した。
仕事で観光地へ向かう予定が決まり、移動手段を考え始めたとき、今回は新幹線ではなく「サフィール踊り子」を選んだ。新幹線と在来線で行くよりも乗り換えが少ないことも理由だったが、それ以上に「旅らしい時間を味わいたい」という気持ちがあった。
せっかくの特急列車だし旅行気分を高めるため、駅弁を買ってお昼に食べることにした。東京駅構内の「駅弁屋 祭」で気分を上げる。
ホームに着くと、いつもの踊り子号とは違う、深いブルーの車体が目に飛び込んできた。乗り込んで席に座る。全席グリーン車の車内、天窓から見える空、広い窓から眺める熱海の海岸線・・・。
目的地へ向かうだけなら、もっと効率的な方法もある。でも、少しだけ時間やお金をかけることで、「これから旅が始まる」という気持ちが自然と高まっていく。
観光は、現地に到着してから成り立つものではない。
列車時間を調べて予約する時間も、何を食べようか思案しながら駅弁を選ぶ時間も、ぼんやりと車窓を眺める時間も、その土地への期待を少しずつ膨らませる大切な体験なのだと思う。
伊東では、市長との意見交換の機会をいただいた。
20年ほど前、『じゃらん』の営業担当として何度も通った地。当時お世話になった方々とのご縁がきっかけでまた再訪することになったのだが、今もこうして続いていることにありがたみを感じた。
街を歩きながら、変わった景色と変わらない景色を見比べる。
地域は少しずつ姿を変えていく。それでも、人とのつながりや、その土地で過ごした記憶は、年月が経っても残り続ける。
帰りの列車では海側の席を予約した。
夕暮れの海を眺めながら、「旅は何を持ち帰るものなのだろう」と考えていた。
伊東駅の売店で、あれやこれやと悩んでお土産も買った。
だが、持ち帰ったのはお土産だけではない。お世話になった方との再会や、伊東という街が歩んできた時間、そして改めてこの地域と向き合えた一日そのものだった。
だから私は、観光を考えるとき「現地で何をするか」だけではなく、「そこへ向かう時間をどう楽しめるか」ということも、とても大切な価値だと思っている。
地域の魅力は、観光地に着いてから始まるものではない。
行き方を考え、車窓を眺め、土地の空気に触れ、人と出会い、帰り道に余韻を味わう。そのすべてが旅の体験になるのである。
観光地づくりを考えるとき、つい「現地で何を楽しんでもらうか」に目が向きがちだが、本当に大切なのは、旅全体の体験価値をどう豊かにできるかという視点なのではないか。
伊東で過ごした一日は、旅とは「目的地へ行くこと」ではなく、「その土地との時間を持ち帰ること」なのだと、改めて実感した。
仕事で観光地へ向かう予定が決まり、移動手段を考え始めたとき、今回は新幹線ではなく「サフィール踊り子」を選んだ。新幹線と在来線で行くよりも乗り換えが少ないことも理由だったが、それ以上に「旅らしい時間を味わいたい」という気持ちがあった。
せっかくの特急列車だし旅行気分を高めるため、駅弁を買ってお昼に食べることにした。東京駅構内の「駅弁屋 祭」で気分を上げる。
ホームに着くと、いつもの踊り子号とは違う、深いブルーの車体が目に飛び込んできた。乗り込んで席に座る。全席グリーン車の車内、天窓から見える空、広い窓から眺める熱海の海岸線・・・。
目的地へ向かうだけなら、もっと効率的な方法もある。でも、少しだけ時間やお金をかけることで、「これから旅が始まる」という気持ちが自然と高まっていく。
観光は、現地に到着してから成り立つものではない。
列車時間を調べて予約する時間も、何を食べようか思案しながら駅弁を選ぶ時間も、ぼんやりと車窓を眺める時間も、その土地への期待を少しずつ膨らませる大切な体験なのだと思う。
伊東では、市長との意見交換の機会をいただいた。
20年ほど前、『じゃらん』の営業担当として何度も通った地。当時お世話になった方々とのご縁がきっかけでまた再訪することになったのだが、今もこうして続いていることにありがたみを感じた。
街を歩きながら、変わった景色と変わらない景色を見比べる。
地域は少しずつ姿を変えていく。それでも、人とのつながりや、その土地で過ごした記憶は、年月が経っても残り続ける。
帰りの列車では海側の席を予約した。
夕暮れの海を眺めながら、「旅は何を持ち帰るものなのだろう」と考えていた。
伊東駅の売店で、あれやこれやと悩んでお土産も買った。
だが、持ち帰ったのはお土産だけではない。お世話になった方との再会や、伊東という街が歩んできた時間、そして改めてこの地域と向き合えた一日そのものだった。
だから私は、観光を考えるとき「現地で何をするか」だけではなく、「そこへ向かう時間をどう楽しめるか」ということも、とても大切な価値だと思っている。
地域の魅力は、観光地に着いてから始まるものではない。
行き方を考え、車窓を眺め、土地の空気に触れ、人と出会い、帰り道に余韻を味わう。そのすべてが旅の体験になるのである。
観光地づくりを考えるとき、つい「現地で何を楽しんでもらうか」に目が向きがちだが、本当に大切なのは、旅全体の体験価値をどう豊かにできるかという視点なのではないか。
伊東で過ごした一日は、旅とは「目的地へ行くこと」ではなく、「その土地との時間を持ち帰ること」なのだと、改めて実感した。