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心に残った、おもてなしの気づき

〜Reflections on Memorable Hospitality〜

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地域の魅力は、人を通じて深まっていく|飛騨高山にて感じたこと

先日、インタビューライティング講座のフィールドワークで岐阜県高山市を訪れた。
高山には、以前一緒に仕事をしていた後輩のNちゃんがいる。直前になって連絡をしたため、会うのは難しいだろうと思っていた。彼女は同じ日に行われる地域のイベント運営に関わっており、本人も忙しい様子だったからだ。

ところが、講座の終了時間に合わせて車で迎えに来てくれるという。私が乗る特急の発車時刻までわずか30分強。それでも「尚子さんに会いたいです!」とメッセージを送ってきてくれたのだ。会場に駆けつけてくれた姿を見た瞬間「いや~ん、久しぶり!」声を出して走り寄り、思わずハグをしてしまった。

短い時間の中で近況報告をし合い、駅の駐車場に着くと、「お昼、どうするんですか?電車の中で食べてほしくて」差し出されたのは、地元で人気の行列必至なパン屋のパン。そして、立て続けに「荷物になっちゃいますけど」と、今朝朝市で買ったという新鮮な野菜、そして飛騨の春限定の和菓子「あねかえし」まで持たせてくれた。

帰りの特急で袋の中を見ながら、その量と種類の豊富さに驚いた。採れたてだから春菊は生で、おかひじきはさっとゆがいて、という調理方法を追って送ってくれたのにも感激した。「あねかえし」の爽やかなよもぎの香りで、高山の旬を感じることもできた。

もちろん、野菜や和菓子そのものも嬉しかった。だが、それ以上に印象に残ったのは、Nちゃんが飛騨高山のことが本当に好きで、だからこそ、自分の好きなエリアのものを食べて喜んでもらいたいという想いが強く伝わったことだった。

実は、今回のフィールドワークで取材させていただいた方々の話を聞いている中でも、何度かNちゃんの名前が出てきた。後で聞くと、取材先の皆さんともつながりがあり、高山で活動する人たちの輪の中に自然と溶け込んでいるという。
地域活性という言葉を、よく耳にする。しかし実際に地域の魅力を育てているのは、こうした人たちなのではないだろうか。

自分の住む地域を好きになり、その魅力を自分の言葉で語り、人と人をつなげていく。観光パンフレットやSNSだけでは伝わらない地域の空気感は、そんな人たちを通じて少しずつ伝播していく。
観光地の魅力というと、つい景色や食べ物、有名な観光スポットに目が向きがちだ。しかし旅人の記憶に残るのは、意外と人との出逢いだったりする。

「あの人に会えたから、また行きたい」

そう思える地域は強い。

今回、飛騨高山で過ごした時間はわずかだった。それでも飛騨高山への親近感が以前より深まったのは、取材でお会いした皆さんとNちゃんを通じて、この土地の魅力に触れられたからだと思う。

地域のファンは、観光施設だけではつくれない。
地域を愛し、その魅力を楽しそうに語る人たちがいてこそ生まれる。
飛騨高山での短い再会は、そんな「当たり前だけれど大切なこと」を改めて教えてくれた。

「給食に出てくるパン製造会社が、オシャレなパン屋を作ったんですよ。めちゃ人気で大行列なんです」と地元の方に教えていただいたパン屋さんのパン。元同僚のNちゃんがお土産にと買ってきてくれた。まさか食べられると思っていなかったからびっくり!

我が家の野菜室に収まりきらないくらいの量(笑)。飛騨高山の朝市で買ってきてくれた野菜は、一袋の量がものすごくてこれまた驚き。初めて見るものもあったが、ちゃんとどう食べるのがいいのかを、Nちゃんはメッセンジャーで送ってきてくれた。そんな心遣いも飛騨高山の想い出になっていく

これが、飛騨高山の春限定「あねかえし」。名前の由来を調べたところ、飛騨地方の方言で「こねる」ことを「あねる」と言い、米粉とよもぎを熱湯で練り混ぜてはひっくり返し、何度も何度もこねて返す(あねかえす)製法から名付けられたとのこと。よもぎの香りが部屋に漂い、「旬」を持ち帰ったのを感じました

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